相談事例 No.32

工場の水使用量23%、コスト年1千万円削減

用水・純水 純水・超純水 冷却水・冷凍機

ご相談内容

CSR活動の一環として、水使用量を削減したい。

当工場ではCSR注1活動の一環として、来年度1年間当たりの水使用量削減目標値を3%以上と定めています。今まで冷却塔、ボイラなどで節水に取り組んできました。ただ、これら以外に節水可能な設備・装置を考えつきません。何かさらに節水できる方法はないでしょうか。

 

注1 Corporate Social Responsibility、「社会に対する企業の責任」  

業種 電子部品製造業
設備・装置 冷却塔(8基)、ろ過器(2塔)、純水設備(1式)、外気処理空調機(以下外調機、4台)
給水 水道水、工業用水
排水放流先 下水道

KCRセンターからの解決策

捨てている水を回収・再利用することで、水道水・工業用水の補給量を減らせる可能性があります。

このたびは、KCRセンターにご相談いただきありがとうございます。

 

お送りいただいた工場内のフローシート注2を拝見し、検討しました。

お客様は現在、生産工程などからのいろいろな排水を下水道に放流されています。これらの排水を回収・再利用できれば、水道水・工業用水の補給量を減らせる可能性があります。

注2 (水処理では)水の流れに沿って、各水利用装置・水処理装置がどうつながっているかを示した図。

図1 ご相談時の水利用状況

まずこれら排水の水質などを調べ、回収・再利用可能か判断しましょう。

排水の回収・再利用を実現するには、対象とする排水に最適な水処理薬品、水処理装置を各々選び、組み合わせて適用する必要があります。この最適条件を調べるため、次の手順で判断します。

 

1)各々の排水水質を分析し、回収可能な排水はどれか、回収可能な排水を混ぜても問題ないか判断

 クリタは数多くの経験、実績から、この判断に必要な独自の水質分析方法、水質基準を確立しています。

 

2)小型評価装置を用い、実際の排水を回収・再利用可能か確認

 回収後の水質や水量を安定して得られるか、回収水が冷却塔などへの補給水として再利用可能か確認します。

 

回収・再利用が可能と判断できれば、コストメリットを得られるか試算します。

 

 

コストメリットがあり、管理不要な解決法があります。

回収・再利用が可能と判断できたら、次はコストメリットの試算です。

水道水の使用削減量などによる支出減と、水処理設備購入、管理増による支出増を比較し、収支を見通します。

ここでお勧めしたいのが、回収・再利用のための設備を購入されて自社で運用される従来の方法に代わる、再生水供給サービスです。このサービスには、1)設備投資負担を減らせる、2)運転管理が不要、3)再生水水質・水量などをインターネットを通じパソコン画面上などで見える化できる、などの多くのメリットがあります。

 

再生水供給サービス、詳しくはこちらへ→

 

標準型排水回収システム(「CORR」システム)で排水を回収し、現在水道水を利用している外調機、工業用水のろ過水を使用している冷却塔に再生水を送ることで、水道水、工業用水の使用量と、下水道への放流量を削減できます。

 

再生水使用に併せ、冷却水向け監視サービスを利用されてはいかがでしょうか。

特に夏場、冷却塔への補給水量が多く必要になり、一時的に再生水では足りない場合、現在お使いの工業用水のろ過水を自動で補給します。工業用水のろ過水は、再生水に比べると溶解しているイオンなどの濃度が高く、補給により冷却水水質が変化します。このような場合、変化する冷却水の水質に合わせて、人が冷却水薬品の注入量を調整するのは困難です。

 

そこで、薬品注入量の制御自動化と、クリタによる遠隔監視サービスを利用されてはいかがでしょうか。

万一冷却水水質などに異常があれば、クリタIoT監視センターで検知し営業へ連絡、対処させます。よってお客様は安心で、時間を取られることもありません。また、貴社ご担当者様が現場に出向き、確認、測定、記録していたいろいろな項目をパソコン画面上などで連続して自動で見える化でき、確認・記録に要する業務時間を減らせます

 

冷却水向け監視サービス、詳しくはこちらへ→

 

図2 再生水供給サービス,冷却水向け監視サービス導入後の水利用状況

ご相談いただいた結果

再生水供給サービスを採用いただき、水使用量を23%削減できる見込みです。

KCRセンターからのご提案後、営業担当がお客様の工場へ伺い、調査・検討した結果、「再生水供給サービス」を導入いただいた場合、水使用量を23%削減できる見込みを得ました。

 

図3 サービス導入で水使用量削減 

 

 

この結果を報告するとともに、冷却水水質などの管理が不要で、業務時間を削減できる「冷却水向け監視サービス」もご説明した結果、全コスト試算の依頼をいただきました。

 

検討した結果、サービス費用を差し引いても、水道・工業用水代、下水道代の削減により、年間1千万円近く削減できる見込みを得ました。

 

お客様に報告した結果、高く評価いただき、両サービスをご採用いただきました。

その後サービスを開始し、順調にご利用いただいています。

 

 

お客様の声

『クリタさんが現場に入り込んで、いろいろな装置を粘り強く調べた結果、これだけの水使用量削減につながったものと感謝します。結果をグループ関係会社での発表会で報告します。ぜひ他の事業所に水平展開し、当グループ企業の水使用量削減に協力ください。』

 

お客様イラスト

 

 CORR、S.sensing Optiは、栗田工業の登録商標です。

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