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No.71冷却水

冷却水系で発生する障害の種類 ―スケール障害―

KCRセンター梶原瑛
【解説者】

栗田工業株式会社KCRセンター

梶原 瑛

栗田工業KCRセンターの梶原です。スケール障害は冷却水に含まれる硬度成分(マグネシウムやカルシウム)やシリカ等が、冷却塔における水分の蒸発や伝熱面での加温等により、析出(スケール化)することで発生します。析出したスケールは、熱交換器や冷却塔内部、配管等に付着し、熱交換効率の低下によるエネルギーロスの要因になるほか、ポンプ圧の上昇、流量の低下等設備の安定運転を妨げる要因にもなります。今回は、このスケール障害とその対策について解説します。

KCRセンター梶原瑛
【解説者】
  • 栗田工業株式会社
  • KCRセンター
  • 梶原 瑛

解説

開放循環冷却水系では、冷却水の一部を蒸発させることで水温を低下させ(汗のように気化熱を奪う)、水を循環再利用します。蒸発に伴い、冷却水中の硬度成分等が濃縮され、飽和溶解度を超えると析出し、スケール化します。水の蒸発を伴わない密閉冷却水系では、スケール障害は発生しにくい障害となります。冷却水系で発生するスケールの成分は主に炭酸塩、ケイ酸塩(シリカ)で、市水や工業用水・井戸水等、補給水として使用される水に含まれています。また、防食剤として冷却水系に添加された、リン酸塩や、鉄や亜鉛等の腐食生成物がスケール化することもあります。

スケール障害対策

スケールは、飽和溶解度を超えた成分が析出することで発生します。溶解度に影響する因子としては、濃度、温度、pH等が挙げられます。温度は水処理側で制御できない因子なので、強制ブローによる濃度管理・pHコントロール(酸の添加は腐食のリスクがある)によってスケールの抑制をすることが基本となります。また低分子量ポリマーやホスホン酸塩等のスケール防止剤を用いることで、スケール障害が発生しない濃度範囲を広げることができます。スケール防止剤には、「分散作用」、「(キレート的な)析出抑制作用」、「晶癖(結晶をゆがめる)作用」があり、結晶として成長できなかったスケール成分は、ブロー水と共に系外に排出されます。スケール防止剤を使用することで、使用しない場合より高濃縮での運転が可能となり、補給水量・ブロー水量を節水することが可能になります。

用語解説

LSI(飽和指数)

Langelier Saturation Indexの略称。炭酸カルシウムスケールの発生しやすさを表す指標で、正の値を示す場合はスケール傾向にある。ランゲリア指数とも呼ばれる。

CHECK
POINT!

  • スケール防止剤を単独で用いるのではなく、防食剤の成分と配合することで、スケール障害と腐食障害を防止することができます。

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