超純水製造から排水・汚泥処理まで水処理技術をレクチャーします
No.56無機排水処理
栗田工業株式会社KCRセンター
池上徹
栗田工業/KCRセンターの池上です。№56の水処理教室では、「汚染物質に応じた排水処理方法」についてお話いたします。工場排水には油分や有機物、アンモニア、有害金属など、さまざまな汚染物質が含まれているため、複数の方法を組み合わせて処理することが必要になります。今回は汚染物質に応じた処理方法の概要について解説いたします。
ストリッピングは、排水中に含まれる硫化水素、アンモニアをスチームで加熱したり、空気で曝気して処理する方法で、石油化学プラントでよく使用されています。凝集沈殿法、凝集加圧浮上法は、排水中の懸濁物質を分離するものです。凝集沈殿法は、凝集剤によって懸濁物質を粗大化して沈殿させ、加圧浮上法は、加圧した状態で水に空気を溶解させ、常圧に戻す時に発生する微細な気泡を懸濁物質に付着させ浮上分離します。またアルカリ沈殿法は、有害物質の中のとくに重金属処理で使われる方法です。重金属を含んだ処理水に苛性ソーダなどを投入して、水酸化物の形として沈降・分離します。
用語解説
水中に空気を吹き込むことで酸素を溶解させ、微生物反応や化学的酸化反応を促進させる方法。
CHECK
POINT!
出典:よくわかる水処理技術(株式会社日本実業出版社発行)
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解説
工場から排出される水には、各種の汚染物質が含まれています。そのため排水処理のプロセスを決定する場合、油分、有機物、懸濁物質、アンモニア、有害金属などそれぞれの汚染物質ごとに異なった処理システムが必要で、複数のプロセスを組み合わせて処理することになります。下記の表に、排水中の汚濁物質の除去に有効な方式を示しました。もちろんここに挙げた物質だけでなく、それ以外にも様々な物質に対応しなくてはなりません。そこで実際には、汚濁物質の除去に最大限の能力が引き出せる組み合わせを工夫しています。