「発電する微生物」から生まれる、次世代エネルギーの可能性
発電する微生物の存在が知られるようになったのは、1988年に米国の生物学者ケネス・H・ニ―ルソン博士が、湖の底泥から「珍しい特徴を持つ微生物」を発見したことが始まりです。これまでの研究で、同じ特性を持つ微生物が下水汚泥や水田土壌など、私たちの身近な環境にも存在することが分かってきました。
一般的な排水の好気処理で利用される微生物は、酸素を取り込んで有機物を分解し、二酸化炭素と水を排出します。発見された微生物は、酸素がなくても有機物を分解して電子を放出し、二酸化炭素と水素イオンを排出する能力があることから「発電微生物」と呼ばれています。
この発電微生物を活用して、排水処理と発電を同時に行う装置が「微生物燃料電池」です。微生物燃料電池は次世代のエネルギーとして注目されています。