水処理技術のキーワード「溶存酸素」
一般事項「溶存酸素」についてお話いたします。溶存酸素はDO(Dissolved Oxygen)とも呼ばれる水中の酸素濃度を表す指標です。今回はその概要と測定方法について解説いたします。
解説
水処理技術には、多くの専門的な用語がでてきますが、その中からいくつかのキーワードを紹介します。1つ目は溶存酸素(Dissolved Oxygen:DO)です。溶存酸素(DO)とは水中に溶けている酸素濃度を表す指標で、水1リットル中に含まれる酸素の重量で表します。(一般的にはmg/L)DO値は水質を判断する時の重要な指標の一つです。有機物濃度の高い水の場合、微生物の活動が活発になり、それによる水中の酸素消費が激しくなるため、DO値は低くなります。
排水処理にもDO値は重要
DO値は好気性生物処理の管理指標としても用いられます。というのも、この処理方法では、微生物の活動を促進させるために、DO値を一定以上に保つことが必要となるからです。DO値の測定にはいくつかの測定法がありますが、現在では迅速な測定法が可能な酸素電極による小型のポータブルDOメーターが、モニターとして広く用いられるようになっています。
用語解説
有機汚染
有機物(BOD、CODで表されるもの)により水が汚染されること。
CHECK POINT!
- 水中に溶けている酸素を溶存酸素(DO)と呼び、水1リットル中に含まれる酸素の重量で表します。
- DO値が低下すると、水の浄化が進みにくくなります。
出典:よくわかる水処理技術(株式会社日本実業出版社発行)
解説者
栗田工業株式会社
小川晋平