No.055

ウイルスも取り除くUF膜

用水・純水 前処理・ろ過

「UF膜」についてお話いたします。UF膜は、MF膜よりも微細な孔を持ち、分子量5000~30万程度の高分子成分(たんぱく質やポリエチレングリコールなど)や、粒子径1~100nmのウイルス、エマルジョンなど小さな物質を除去することができます。その特徴と用途について解説いたします。


KCRセンター坂倉徹

解説者

栗田工業株式会社

坂倉徹

解説

水処理教室№54で説明したMF膜よりも微細な孔をもつのがUF膜です。このUF膜が水処理に用いられるようになったのは1960年以降のことです。当初の膜素材は酢酸セルロースでしたが、現在ではポリアクリロニトリルやポリスルフォンなどいろいろな合成高分子が使用されています。水処理でUF膜の処理対象となるのは、分子量5000~30万程度の高分子成分(たんぱく質、ポリエチレングリコールなど)や粒子径1~100nmのウイルス、エマルジョンなどです。

UF膜による水処理の特徴

UF膜のろ過方式は、砂ろ過や一部のMF膜で用いられているろ過面(膜面)に垂直に水を流す全量ろ過方式とは違い、ろ過面に対して平行に流すクロスフロー方式が採用されます。UF膜の形状は、合成高分子のMF膜と同じで、平膜・管状膜・中空糸膜、さらに平膜をのり巻き状に巻き込んだスパイラル型もあり、用途に応じて使い分けています。UF膜は、コロイド状物質や高分子成分を含む水に圧力をかけてろ過する方式が一般的です。コロイド状微粒子や高分子有機物を含む水の場合、ある程度ろ過を進めていくと膜面にそれらの物質が蓄積した層(ゲル層)ができて、膜面を詰まらせてしまいます。そうなると、ろ過流量が減少します。そのため、洗浄ができない平膜・管状膜・スパイラル型などの構造をもつものでは、このゲル層をいかに減らすかがUF膜の使用のポイントになります。

UF膜のしくみと用途

用語解説

エマルジョン

乳濁液ともいう。液体中に他成分の液体粒子がコロイド粒子あるいはそれより粗大な粒子として分散して乳状をなすもの。油と水とを混ぜて振れば一時的にエマルジョンとなる。

CHECK POINT!

  • UF膜は、MF膜よりも微細な孔をもちます。
  • UF膜は、ポンプで圧力をかけてろ過します。

出典:よくわかる水処理技術(株式会社日本実業出版社発行)

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