超純水製造装置「サブシステム」
用水・純水 純水・超純水超純水製造装置「サブシステム」についてお話いたします。超純水製造システムの中で最後の段階に位置するのがサブシステムです。サブシステムは、熱交換器、紫外線殺菌装置または紫外線酸化装置、デミナー、UF膜などで構成されています。その工程を詳しく解説いたします。
解説
超純水製造システムの中で最後に位置するのがサブシステム(ポリッシングシステム)です。ここでその工程を詳しく見てみます。サブシステムでは、送水されてくる一次純水中にわずかに残っているイオン類、TOC成分、微粒子、生菌を除去して超純水とします。この超純水は、配管網を通じて各ユースポイント(超純水の使用場所)へ送られます。そして余った超純水の一部は、再び一次純水と合流して循環処理されます。サブシステムは、熱交換器、紫外線殺菌装置(あるいは紫外線酸化装置)、デミナー(イオン交換器)、ファイナルフィルターとしてのUF膜などで構成されています。このうち熱交換器は、ユースポイントで使用される水温を設定するための装置です。また紫外線殺菌装置は、超純水の要求TOC濃度が高い場合(通常20~50μg/L)に用いられ、サブシステムの殺菌を行います。そして超純水の要求TOC濃度が低い場合(通常10μg/L以下)には、紫外線酸化装置が設置されます。
低分子のTOCも効率的に分解・除去
通常、一次純水システムにはイオン交換樹脂とRO膜[逆浸透膜]が使用されるため、サブシステムに持ち込まれるTOC成分は分子量100以下の成分と想定されます。これらの極低分子TOCを分解するための装置として紫外線酸化装置は機能します。水に185nmの紫外線を照射することで、酸化力の強いOHラジカルを生成させ、この酸化作用によって低分子有機物を炭酸ガスと有機酸に分解し、これをデミナーの陰イオン交換樹脂で吸着・除去します。そして最後のUF膜で微粒子を100%カットします。サブシステムは、超純水へ仕上げる最終システムとなるため、あらゆる残留物の通過を阻止するように構築されています。
用語解説
熱交換器
熱交換を行うための装置で、流体の温度を上げることを目的とした場合には加熱器、温度を下げる場合は冷却器という。
CHECK POINT!
- サブシステムは、超純水製造システムの中で最後に位置します。
- 熱交換器、紫外線殺菌装置、イオン交換器、UF膜などで構成されています。
出典:よくわかる水処理技術(株式会社日本実業出版社発行)
解説者
栗田工業株式会社
佐藤禎一