相談事例 No.50
エバポレータの熱伝達率向上により省エネを実現
【2019年度省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」受賞技術】
製造プロセス
ご相談内容
簡易で設備投資が少ない方法で省エネルギーを実現したい
当社ではパルプ製造工程の蒸解釜で発生する希黒液を濃縮して、黒液回収ボイラの燃料として再利用しています。その濃縮工程で多くの蒸気を使用しています。
簡易で大きな設備投資をかけずに、蒸気量を削減する方法はないでしょうか?
図1 黒液回収工程フロー図
業種 | 製紙工場 |
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設備 | 黒液エバポレータ |
熱源 | 蒸気 |
KCRセンターからの解決策
Kurita Dropwise Technologyのご提案
このたびは、KCRセンターにご相談いただきありがとうございます。
お客様の製造プロセスでは、蒸気で加熱するエバポレータを使用されており、Kurita Dropwise Technologyの適用による効果が見込めそうですね。
Kurita Dropwise Technologyの効果
図2 Kurita Dropwise Technology適用前後の比較
Kurita Dropwise Technology は金属表面に撥水性を付与し、水膜化を抑制することで熱伝達率が向上します。また、現在の設備を稼働させたまま使用でき、大きな設備投資も必要ありません。
Kurita Dropwise Technology は適用ノウハウを含めた薬品、装置、分析・解析の3つを基本パッケージとした提供となります。
図3 左:黒液回収工程フロー図 右:エバポレータの内部構造
Kurita Dropwise Technology を詳しく知りたい方は、こちらをクリック!
省エネ大賞受賞概要、リーフレット、動画は、こちらをクリック!
ご相談いただいた結果
Kurita Dropwise Technologyによって、エバポレータの熱伝達率が改善し、蒸気原単位の削減(省エネルギー)に繋がりました
Kurita Dropwise Technologyの適用により、大きな初期投資なく蒸気原単位が13 %削減でき、省エネルギーにつながりました。
また、黒液エバポレータの濃縮に使用した蒸気のドレンは、従来鉄濃度が高く、ボイラ給水として使用できない水質でしたが、Kurita Dropwise Technology適用後は本技術が併せ持つ汚れ防止効果により、徐々にドレンの鉄濃度が低下し、ボイラ給水として再利用することができる水質になり、熱回収による省エネルギーも実現できました。
図4 蒸気原単位の削減
2019年度省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました
今回紹介したお客様の事例など、本サービスを適用し省エネルギーを実現した多くの取り組みとその技術を評価いただき、一般財団法人省エネルギーセンターが主催する「2019年度省エネ大賞」において「ドロップワイズテクノロジーによる熱伝達率の向上」が「資源エネルギー庁長官賞(製品・ビジネスモデル部門)」を受賞しました。クリタの「省エネ大賞受賞」は2017年度の「ドリームポリマー」以来2回目です。
ドリームポリマー を詳しく知りたい方は、こちらをクリック!
Kurita Dropwise Technologyが令和4年度関東地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞しました
弊社のKurita Dropwise Technologyの特許技術が国内外の100件以上(評価試験中含む)の蒸気ドライヤに対して導入されており、3~20%の蒸気原単位の改善が確認できていることが評価され、受賞しました。
令和四年度地方発明表彰(公益社団法人 発明協会HP)http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/chihatsu.html