相談事例 No.34

熱伝達率アップで生産性が2.5%向上

製造プロセス ボイラ・スチーム

ご相談内容

生産性を向上させたい

当工場では、木材チップから取り出したパルプ(植物繊維)を原料として紙を製造(抄造)しています。
この抄造工程を改善する中で、生産性(エネルギ-・人など投入した単位量当たりの生産量)を向上できる方法を探しています。何か良い案はありませんか。

なお、抄造工程について、図で簡単に説明します。

 

困っている人イラスト 図1 パルプから紙ができるまで

 

・ワイヤー工程  :水に分散させたパルプを目の細かい網に流し、網の隙間から重力で水分を抜きます。
・プレス工程   :圧力を加えフェルトとロールで水分を絞り、除去します。
・ドライヤー工程 :内側に蒸気を吹き込んだ金属製の筒の外側に紙を当てて残る水分を乾燥させます。
・リール工程   :出来上がった紙を巻き取ります。

業種 製紙業
設備 紙製造設備
熱源 蒸気

KCRセンターからの解決策

ドライヤー工程の見直しにより、多くのお客様で生産性が向上しています。

このたびは、KCRセンターにご相談いただきありがとうございます。
ドライヤー工程で伝熱面の熱伝達率を向上させることにより、水分の残った紙(湿紙)に蒸気の熱エネルギーをより良く伝えられるようになり、多くのお客様で生産性が向上しています。

 

蒸気からの熱伝達率を向上させる鍵は、「水膜を無くす」ことです。

図2 熱伝達率向上のカギは「水膜を無くす」こと

 

湿紙に熱を効率良く伝えるうえでの障害は、伝熱面にできる蒸気が凝縮してできる薄い水の膜(水膜)です。

この水膜が熱伝達を阻害することは古くから知られていました。しかし最近までこれを解決する技術がありませんでした。

長年の研究からクリタは伝熱面を撥水(はっすい)性に変えて水膜を無くす新技術、クリタドロップワイズテクノロジーを遂に実用化。熱伝達率を大きく向上させることに成功しました。

※ dropwise、液滴、滴状の意味

 

伝熱面の水膜を無くす新技術で、ドライヤー工程での生産性が向上しています。

図3 乾燥工程に撥水(はっすい)技術を適用し、乾燥スピードが向上

 

ドライヤーの金属製円筒内側に吹き込んだ蒸気の熱で円筒外側の湿紙を乾燥させるドライヤー工程では、蒸気の熱エネルギーを湿紙に出来るだけ無駄なく伝えることが重要です。
複数のお客様でこのクリタドロップワイズテクノロジーを評価いただいたところ、乾燥時間が早まった結果、抄造速度(単位時間当たりの紙の生産量)を早くでき、「生産性が向上した」とそれぞれ評価いただけました。
撥水(はっすい)層が生成され、液膜が無くなって伝熱効率が大幅に向上したためです。
この新技術、クリタドロップワイズテクノロジーを評価されてはいかがでしょうか。

ご相談いただいた結果

新技術採用で、生産性が2.5%向上しました。

図4 生産性が2.5%向上 平均抄造速度グラフ

 

この新技術を試験導入し評価いただいた結果、抄造速度が毎分385メートルから395メートルへ上がり、生産性が約2.5%向上しました。

 

 

お客様の声

生産性が向上し、びっくりです イラスト

 

効果が出るまでやや時間を要しましたけれども、確かに抄造速度が上がり、生産量を増やせてびっくりです。単位生産量あたりの蒸気使用量も減るわけで、省エネ、温室効果ガス削減にもなります。他のドライヤーでも評価の予定です。

 

注:筒内部の状態によっては、効果が出るまで時間を要す場合があります。

 

Webでのお問い合わせはこちらから https://kcr.kurita.co.jp/ask

 

 

2019年度省エネ大賞「資源エネルギー庁長官賞」を受賞しました

今回紹介したお客様の事例など、本サービスを適用し省エネルギーを実現した多くの取り組みとその技術を評価いただき、一般財団法人省エネルギーセンターが主催する「2019年度省エネ大賞」において「ドロップワイズテクノロジーによる熱伝達率の向上」が「資源エネルギー庁長官賞(製品・ビジネスモデル部門)」を受賞しました。クリタの「省エネ大賞受賞」は2017年度の「ドリームポリマー」以来2回目です。

 

省エネ大賞受賞概要、リーフレット、動画はこちらへ

https://kcr-pg.kurita.co.jp/MaterialList_Kurita_DW.html

 

省エネ大賞賞状&トロフィー

 

 

Kurita Dropwise Technologyが令和4年度関東地方発明表彰「発明奨励賞」を受賞しました

弊社のKurita Dropwise Technologyの特許技術が国内外の100件以上(評価試験中含む)の蒸気ドライヤに対して導入されており、3~20%の蒸気原単位の改善が確認できていることが評価され、受賞しました。

 

令和四年度地方発明表彰(公益社団法人 発明協会HP)http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/chihatsu.html

 

発明奨励賞賞状

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