相談事例 No.27

汚泥・二酸化炭素排出量を減らしたい

排水 凝集分離

ご相談内容

排水処理に伴い発生する汚泥・二酸化炭素排出量を減らしたい

工場で総合排水処理設備の運転管理を担当しています。全社CSR向上活動の一環として、薬品使用量、汚泥発生量を減らすよう指示されています。また県の条例に基づき、二酸化炭素排出量を削減するための検討も指示されています。何か良い案はありませんか。

業種 特殊鋼製造業
設備 総合排水処理設備
原水種 総合排水
排水量 700m3/h

KCRセンターからの解決策

薬品を替えるだけで汚泥、炭酸ガスを減らせます

このたびは、KCRセンターにご相談いただきありがとうございます。

工場のいろいろな工程から排出される各種排水を集めて浄化する総合排水処理設備で、お客様はポリ塩化アルミニウム(PAC)を使用されているとのこと。このPACに替えて、当社の「ゼータエースS」シリーズを検討されてはいかがでしょうか。この薬品はPACよりも荷電中和力が強いため発生する懸濁物の凝結性が向上し、薬品使用量を大幅に減らせます。

 

浮遊物質を凝結させるには

排水中に含まれる微細な浮遊物質を取り除くには、浮遊物質同士を結合させ大きくし、沈殿させやすくする必要があります。ところが微細な浮遊物質は一般的にマイナスに帯電しており、そのままでは反発し合い大きくなりません。そこでこの荷電を中和させるためプラスに帯電したPACなどの薬品を添加します。

微細粒子+PACなどの凝結剤=基礎フロック イメージ画像

PACを「ゼータエースS」に換えると

「ゼータエースS」シリーズはPACよりも荷電中和力が強く、PACよりも少ない添加量でフロック(注)を生成できます。この結果、添加する薬品量を減らせます。「ゼータエースS」シリーズで発生した懸濁物(基礎フロック)を更に沈殿させやすくするため高分子凝集剤を添加。基礎フロック同士を吸着させることで粗大化させ、沈殿させます。

 

(注)フロック(floc、英):水中に分散している細かい濁質成分に凝結剤を添加することで生成される、羊の毛が集まったようなふわふわした沈殿物。

もっと詳しく → https://kcr.kurita.co.jp/wtschool/012.html

微細粒子+「ゼータエースS」シリーズ=基礎フロック、基礎フロック+高分子凝集剤→吸着→かく拌→粗大フロック イメージ画像

センサーで薬品注入量を制御すれば更に削減可能です

薬品を変更することに加え、排水原水の水質変動に応じて薬品注入量を最適値に自動制御することも、薬品使用量削減に有効です。クリタの「S.sensing CS」は、排水の水質変動に対して凝集槽出口のフロック間濁度を適正値に維持しながら、最低必要量の薬品を添加できますので、安定した処理と薬品使用量削減効果が期待できます。

もっと詳しく → https://kcr.kurita.co.jp/tech/25.html

薬品注入量変化グラフ イメージ画像

ご相談いただいた結果

汚泥量約40%、炭酸ガス発生量約37%を削減できる見込みとなりました

実排水で試験・評価した結果、PACを「ゼータエースS」シリーズに変更するだけで以下のように年換算で各々削減できる見込みとなりました。

 

年換算削減グラフ 画像 なお、「S.sensing CS」を適用することで、この試算以上に削減できることが期待できます。

 

炭酸ガス(CO2)削減の計算には以下の値を用いています。
・ PAC、「ゼータエースS」シリーズ使⽤による炭酸ガス発⽣量 ︓ 0.212トンCO2/トン各薬品
・ 汚泥発⽣(埋め⽴て処分)によるメタンガス(CH4)発⽣量 ︓ 0.025トンCH4/トン汚泥
・ メタンガスの地球温暖化係数 ︓ 25
よって汚泥埋め⽴て処分による炭酸ガス相当量は
0.025トンCH4/トン汚泥 × 25 = 0.625トンCO2/トン汚泥となります。
<出典>
環境省温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度のページより
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/files/calc/itiran2019.pdf P.57 別表10
経済産業省平成14年度「環境調和型⽔処理技術ガイドライン調査報告書」
・ PAC、「ゼータエースS」シリーズ使用による炭酸ガス発生量 : 0.212トンCO2/トン各薬品

 

※ゼータエース、S.sensingは栗田工業の登録商標です。

 

【関連情報】

 

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汚泥量約40%、炭酸ガス発生量約37%を削減

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※テレマックNEO-CS、S.sensing、クリピタリは栗田工業の登録商標です。

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