タービン損傷を予防しボイラ補修費の削減に貢献します
ボイラ・スチーム 製造プロセスこのような問題でお悩みの企業様に最適です
- タービン補修費を削減したい
- タービン更新時、新タービンの出力を維持したい
- ボイラへの燃料投入量を適正化したい
ボイラ発電設備を運転する上での課題
ボイラで発電を行う場合、石油や天然ガスなどをボイラで燃焼し、発生する高温・高圧の蒸気でタービンを回転させて発電をしています。
ボイラの運転期間が長くなると、このタービンが損傷・損耗して発電効率が低下したり、最悪の場合緊急停止してしまう問題が生じます。
蒸気系配管に発生する水蒸気酸化スケールが、タービンを損傷・損耗させる主な要因です。ボイラは長期間運転すると蒸気配管の母材がスケール化します。
この固いスケールが配管から剥離してタービン系統へ飛来し、ノズルボックスやタービンブレードを損傷させます。
この問題の原因となるスケールを定期的に洗浄することが、多額の補修費を削減する根本的な解決策になります。
クリタの蒸気系配管洗浄技術は、タービン損傷や損耗を予防し、ボイラの補修費削減や安定運転・管理に貢献します
クリタの蒸気系配管洗浄技術は次の特長で、蒸気系配管スケールの除去に効果を発揮します。
【特長1】水蒸気酸化スケール用に開発された洗浄剤
「クリフレッシュEシリーズ」の特長は下表のとおりです。
洗浄剤 | 特長 | 注意点 |
---|---|---|
クリフレッシュE3 |
・スケールに対して高い溶解力がある |
・使用可能時間:約30時間(洗浄液の更新が必要) |
クリフレッシュE4 (キレートを主剤とした洗浄剤) |
・長時間の洗浄に適用可能(最大250時間) ・主要材料に対して低腐食性(専用の腐食抑制剤を使用) ・廃液量が少ない |
・洗浄途中にスラッジの排出工程が必要 |
洗浄前後の比較:洗浄前では蒸気配管内部に付着したスケール表面に剥離した痕跡が認められますが、洗浄後ではスケールが除去されています。
【特長2】洗浄工法
蒸気系配管を切断しないで洗浄可能な工法を開発しており、洗浄前の検討時にお客様のニーズに合わせて最適な工法を選択します。
工法 | 特長 | 注意点 |
---|---|---|
水位監視工法 |
・φ50程度の洗浄座で施工可能 |
・垂直管に洗浄座を設けるので未洗浄範囲が広くなる |
中継タンク工法 | ・φ50程度の洗浄座で施工可能 ・構造上比較的洗浄範囲は広くなる |
・蒸気管の上流側に500mm以上の勾配差がある配管構成でなければ適用できない |
洗浄前の検討
洗浄においては対象施設の綿密な調査により、様々な視点から洗浄剤と工法を検討し、お客様の工事負担を低減できるよう提案いたします。
ステップ | 項目 | 内容 |
---|---|---|
1 | 対象配管の材質の把握 |
対象配管の材質(2.25Cr or 9Cr)および工程等により、洗浄仕様(方法)を設定します。 |
2 | スケール付着厚さおよび付着量の把握 |
洗浄対象にどれだけスケールが付着しているか把握し、洗浄条件の設定根拠とします。 (一般的にはUTにより付着の厚さを測定することで全体のスケール付着総量を推測します。) |
3 | スケール性状の把握 |
剥離スケール等を回収して成分等の調査を行い、洗浄条件検討の材料とします。 |
4 | 洗浄対象に含まれる構成材料の確認 |
特に特殊鋼:CRV、MSV等(Cr-Mo-V鋼) → 長時間洗浄になるため、各種材料に影響が少ない条件で施工します。 |
5 | 洗浄条件の選定 |
スケール量・付着状態に応じて適切な洗浄条件を設定します。 → 洗浄剤濃度、洗浄液量、時間 |
6 | 洗浄工法の選定 |
洗浄対象の構成から、最も効果的な洗浄範囲を設定して、対応した工法を選定します。 → 洗浄時の循環方法(取合方法)、洗浄時生成スラッジ対策、非洗浄部との隔離方法 |
洗浄実績
事業用ボイラにおける実績は以下のとおりです。いずれのケースでも洗浄後の定期検査では異状はなく、エロ―ジョン(浸食・腐食)が減少していることが確認できており、高い洗浄効果があることが実証できています。
対象 | 主蒸気管 | 高温再熱蒸気管 |
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実施件数 | 5件 | 9件 |
運転時間 |
約160,000~260,000h |
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洗浄目的 ① | ノズルボックス、タービンブレード損傷対策 | |
洗浄目的 ② | 損傷機器更新にあわせた延命化 | |
洗浄目的 ③ | 予防保全 | |
スケールの厚さ | 380~700μm | 240~約1,000μm |
洗浄後の状況 ※各ユーザーからの 聞き取り調査 |
ノズルボックス:エロ―ジョン減少、タービン効率の低下無し |
ノズルボックッス、タービンブレード:損傷の進展無し |
※クリフレッシュは栗田工業の登録商標です。